シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

スピーカーケーブルで調整 その3

 以前、メインで使っていたアクロリンク6N-S1000Ⅱでかなり良い線まできた。このケーブルをもう少し追い込めば希望が叶えられそうだ。

 硬い線材を使わず音に芯を出すには・・現在、ジャンパー線で繋がった4つのスピーカー端子には襷掛けで接続している。6N-S1010のとき、この方が高域がスッキリしたからだが、低域側端子に揃えよう。FALはフルレンジ+ツィーターなので、本来これがオーソドックスな接続法なのだ。これは的を得た。明らかにボーカルやベースの低音の密度が上がっている。懸念した高域の再現性も低下していない。むしろ中高域のメリハリがついてクリア感が増している。これはフルレンジゆえであろう。

 ここまでくると、SPC-AVのキレのある音も再現したい。そこでアンプ側に刺さったバナナプラグもロジウムタイプに変更する。冷たい響きが乗ると毛嫌いしていた認識は完全に過去のものとなった。厚みがありながら大変キレが良く、中高域からハイエンドまでまったくピーキーな帯域が無い。不思議だ。あの不自然な冷たい響きは、前段機器の不完全さが露呈したノイズだったのだろうか。ロジウムメッキは賛否両論あるが、推奨派の福田雅光氏は正しいと思い直した。

 これで十分満足なのだが、試しにCOPPER Contact PROをバナナプラグに塗ってみる。この僅かな行為が、以前塗った時とは比較にならない大きな変化を魅せた。実にパワフルである。かといって大雑把にはならない。これは今まで聴いたことのない最高にゴキゲン・リアルサウンドである。

 これに代わるものはないと思っていたSPC-AVによるバイワイヤー接続を、あらゆる点で上まわる音が現れた。今、完全に満足状態だ。しかし妄想は終わらない。6N-S1000Ⅱでこれほどの音になるのなら、現行品の7N-S1000Leggendaにすればどうなるだろうか・・

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時計の不良品

 いつ買ったのか、貰ったのか、分からないほど古い目覚まし時計。何度も落として外装は割れ、ガムテープで補修しているが、壊れることなく動いている。しかし、古すぎて図体が大きく邪魔なため新調することにした。

 ホームセンターで1000円前後で売られているものを購入。コンパクトで必要な機能は備わっている。ところがこれ、ゴミ同然の商品だった。高さ30センチほどの座卓から絨毯の上に落としたら、短針が外れたのかブラブラになってしまった。こりゃ使えんと、販売店に持っていく。購入してまだ3か月なのだ。同じものは展示品しか無かったが、それを貰ってきた。さっそく電池交換し、動作を確認。問題なさそうで、目覚ましをセットして就寝した。すると、目覚ましは鳴らず1時間の寝坊である。どういうこった?

 時計を見ると。2時間も遅れている。電池が不良品だったのか?100均で買ったものだからあり得る。今度はまともなメーカー品を使用、数日は問題なく過ごした。ところがある日、仕事から帰ると4時間も遅れているじゃないか!不思議なのは、それだけ遅れても何も起きなかったかのように動いているのだ。これは電池の問題ではない。

 買った店に事情を説明し、10日ほど様子を見てほしいと言ってきた。クレーマーと思われたくないからだ。すると、ほどなくしてやっぱり遅れるのが確認され、返金されることになった。今どきのクオーツ時計は信用できん。大昔の何度も落としてボロボロの目覚まし時計が復活だ。

スピーカーケーブルで調整  その2

 コンセントベース導入後、スピーカーケーブルで音決めを検討している。

 バンデンハルのスカイラインは却下された。すぐに試せる柔らか目のケーブルとして、アクロテック時代の最も古い6N-S1010を使ってみる。うん、これはいい感触だ。当たりが滑らかで程よい肉付きがあり、SPC-AVの透明感、分離感はさほど犠牲になっていないし、音圧も高い。奥行き感はもう少し欲しいが、代わりに音場の広がりは向上している。ところがこれもすぐに不満が出てきた。

 ボリュームを上げると、中域に単調な色が乗っているのが気になるのだ。現在は金メッキのバナナプラグを使っているが、スピーカー側だけロジウムメッキのものに変更。読み通りで、黄金色の付帯音が消えて細かな表情が見えるようになった。ロジウムメッキはタイミングが悪いと冷たい響きを感じるが、今回はマッチングが良かったようだ。しばらくこれで様子を見るか・・いや、うまく言えないが何かが物足りない。聴くたびに鳥肌が立った声が、まったくゾクっと来ない。リアルに人がそこにいる!から、中央に浮かぶ虚像になってしまった・・と体が感じ取っているようである。他を試すしかない。

 3年前までメインだったアクロリンクの6N-S1000Ⅱにしてみよう。実はあまり期待していない。6N-S1010と導体や被覆材も同じであるからだ。過去にその違いを体感しているが、50歩100歩である。同じくロジウムバナナを付けて試聴した。

 これはいい。細い単線には無かった厚みと量感を持ちながら、SPC-AVと遜色無い透明感、奥行きを感じる。アクロ特有の滑らかでウエットな質感を持ちながら、高域がハイエンドまでスッキリ伸び切る爽快感がある。何よりも、鳥肌の立つ声が戻ってきた!

 リラックスした優しさも兼ね備えている。しかし優しすぎの感もあり、ボーカルの密度や低音に芯が足りない。もう少し調整してみよう。  ~つづく~

 

スピーカーケーブルで調整

 コンセントベースも我が家で落ち着いた。何を聴いても音に安定感がある。今まで突き詰めてきた対策が一気に開花したような高SN比、高解像、点在する音の粒子が見えるようなリアリティに鳥肌が立つ。では、これでついに完成か?いや、オーディオとは「堂々巡り」なのである。

 理想と思って追求してきた音は、大きなリアリティの代償として緊張感を強いられる。何かが変われば即、違和感となって現れるし、湿度や部屋の調度品が変わることで音の変化が気になる。以前は、季節によって絨毯をイ草に替えることで室内の反響が変わるのも良しとしていた。そのリラックスした鑑賞姿勢に戻ろう。ただし、音のクオリティを落とさずにだ。

 真っ先に思い浮かぶ調整はインシュレーターだが、非金属で徹底対策しているので変える気がしない。また音の入口は万全にしてきたので、出口で調整がいい。これがオイラ流だ。では、完璧と絶賛して使ってきたアコリバのSPC-AVを変えてみよう。 シングルワイヤになるので、新たにジャンパーケーブルを6N銅線で作り直し。今回は柔らかいタイプがよさそうだ。4年前にハイ上がり解消のため導入した、バンデンハルのスカイラインを再びメインに据えてみる。

 やった!狙い通り、肉付きが良くなってまろやかに変貌している。特に中低音の量感が俄然アップして大変聴き心地がいい。しかし、数々の試聴盤を掛け替えて僅か1時間で違和感が持ち上がる。透明感や深い奥行き感は明らかに後退し、ベタっとした同じ音色が付きまとう。なにより、スモーキーなフィルターを通したようなザラ付いた高域が聴くに堪えなくなってきた。スカイラインは却下、次はアクロを試そう。

                             ~つづく~

エジソンズ・ゲーム

 2017年製作の伝記映画。発明王エジソンにまつわる史実の一遍を映画化した作品。

 子供の頃、親が偉人の伝記漫画を買ってくれてエジソンという人物を知った。そこには聖人君子のような描き方で紹介されていたが、情報化社会になってこの男は一癖も二癖もある人物だったと知り、興味を持ったものだった。社会人になって、やはり一芸に秀でた御仁は癖の強い変わり者が多い事を実感している。

 本作で登場するエジソンは、天が与えたアイディアの噴水のような男である代わり、事業の才覚は無い。彼の発明を利用する人間を妬み、露骨な方法で仕返しをしたりする。家庭も顧みず、才覚のある社員を信用する度量もない。時代遅れの職人気質を超えて、わがままな子供のような人物に仕立てている。これでも監督の本意より自重させられたそうで、公開に至るまでかなりスッタモンダあったらしい。

 社会に灯を点す有名な電流対決が舞台であり、直流方式にこだわるエジソンが負けることは史実で分かっている。結末が分かっていても感動を呼ぶのが良い作品だ。本作でエジソンのライバルとなるのは、交流方式で事業展開を狙うジョージ・ウェスティングハウス。彼は、姑息な手段を使ってくるエジソンを暖かく見据えているのが面白い。また、有名なニコラ・テスラエジソンの関係が、このようなものだったとは初めて知った。

 当然、脚色はあろうが史実にかなり忠実らしく、悪人も登場せずに起伏のある物語にしたのは見事。オイラの土俵ではないが、楽しく観れた作品だ。


ベネディクト・カンバーバッチがエジソン役!映画『エジソンズ・ゲーム』