シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

スタートレック:ピカード

 シーズン1がレンタルされたので、一気に観終えた。色んな意味で感慨深い作品だ。

 スタートレックTVシリーズは、ファンから待望されながらずっと再開しなかった。それが映画のヒットからニーズの不滅を実感したのか、ディスカバリーピカードと完全復活した。両者は同じ世界観であるが、130年ほど時代背景は違う。また、ピカードの方はTNGの20年後を正統に引き継ぐものだ。しかし、その作風はサスペンス風でスピンオフの印象が強い。

 そのストーリーは、人工生命体の是非が戦争の引き金になるもので、さすがTNGのエッセンスを引き継いだ重厚なテーマを感じさせる。しかしドラマの構成として、盛り上げたサスペンスを性急な結末にまとめた印象が残念だ。12話構成ぐらいにしてジックリ魅せるスタイルにすべきだろう。TNGの名作は、主人公ピカードの演技と深いテーマに裏打ちされた地味な作品が多い。本作はその作風を徹底するべきだったと思う。おそらく、アクションや早い展開が無いと観客が離れるといった判断もあったのだろうが、結局中途半端にしてしまったようだ。ただ、シーズン2へ牽引する露骨なラストではなく、大団円にまとめたのは良い。それでも驚きの手を講じて、しっかり次回作への興味を持たせている。

 懐かしい面々が再び登場するが、その残酷なまでの年月を感じざるを得ない。これはTOSの面々が、後の映画化に再登場したとき以上の痛ましさを覚える。それでも7of9はまだ観られる美貌を保っていたのが嬉しい。シーズン2はガイナンも復帰するようだが、無残な醜態を披露するのは勘弁してほしい。

 今後の期待だが、かつてTNGの放映途中でスタートしたDS9は、世界の民族紛争を未来の宇宙に転写して魅せた。本作もその路線でエンタメ色の強いディスカバリーと棲み分け、シニア向けに振ってもらいたい。だからもっと徹底しよう。


「スター・トレック:ピカード」2021年3月3日(水)Blu-ray&DVD-BOXリリース!

 

コンセントベース その3(試聴)

 さあ、音出しだ。ちなみにまだ試聴ではない。

 う~ん・・正直言ってよく分からん。б(´・ω・`;) ボコ壁からアルミムクのガッシリとしたベースに変わった先入観があり、揺るぎない安定感とズンッと来る重低音を期待してしまう。しかし期待が大きすぎたのか、今のところ有意差なしである。

 アンプも温まり、本格的に試聴し始める。すると違いが分かってきた。それは先入観と異なり、解像度と奥行感、ピンポイントの音像がより強化し、贅肉がまったく無い。思えば今まで目指してきた方向であり、歓迎するべきなのだが・・行き過ぎではないか?たしかに耳障りな音はしないし、ボーカルも密度が高い。しかし突き詰めたアスリートのようで、僅かな変化も感知する検聴マシンの趣だ。もはや楽しさや心地よさを得る音では無くなっている。

 頭をスッキリさせて翌日試聴を再開する。すると不思議なもので、良い感じにまとまって聞こえるではないか!コンセントを付け替えたりして硬い屋内配線にストレスが掛かったのだろう。時間とともに落ち着きを見せてきたようだ。具体的に何が昨日と違うのか、音のキレが凄いのだ。それでいて硬さが無いので、音圧を上げても喧しくならない。フュージョン系のハイスピードな打音が実に爽快で、大型ウーハーでは聴いたことがない音だ。今まで以上に、フルレンジのFALならではの持ち味が発揮されていると思う。コンセントベースの導入は正解だった。

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PSオーディオはネジの長さが合わないので工夫が必要。
 

コンセントベース その2(工事)

 コンセントベースを導入するにあたり、コンセントそのものはどうしようか。PSオーディオ製は残したい。長年これが電源の根幹だったのだ。また、純粋にコンセントベースを付けた事の変化を確認したいし。ただ、隣の松下製WN1318は変えよう。UL規格とJIS規格が混在するのは、やはりプレート(カバー)が特殊なものになってしまう。よって、UL規格に統一するとし、安い松下製のWF3003Wにした。もちろん、メインで使うつもりはないが意外と良いかもしれない。プレートもステンレスの標準品だ。

 晴天の休日午後に工事に来た。大した器材の移動もなく取り換えできるようで、まずはホッとした。工事自体は4口コンセントを2箇所取り換えて、アルミ製のベースを介在させるだけであり、簡単に終わるかと思った。ところがそうもいかないのだ。

 我が家は一般的な住宅であるが、オーディオ用の壁コンセントだけはブレーカーから専用とし、ニスケで配線している。これが実に硬く太いため、ラグを噛ました接続後に押し込むと反発力でラグが折れてしまうのだ。工事が終わったと思い、仕上げにテスターで計ると通電しておらず、再び外してみれば配線が外れてしまっている。これが2回もあった。

 やっとOKとなり、後はプレートを付けて終わるはずだった。ここでもトラブル発生。UL規格にプレートを付けるには、コンセント中央にネジで固定することになる。ところがPSオーディオのパワーポートは、ねじ切りの穴が浅くて締められないのだ。ワッシャーを挟もうとすれど大きさが合わない。そこでオイラは自宅にあるプラ版を加工して挟めばどうかと提案。ちょっとカッコ悪いがこれで解決した。

 さあ、ドキドキの音出しだ。    ~つづく~

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コンセントベース(導入)

 コンセントカバーはあれど、コンセントベースというものは存在しなかった。日常生活において必要のないものだからだ。それが今ではオーディオ趣味人の間で使用が常識化してきている。

 そもそもの発案は、たしかstereo誌の専属カメラマンであった(故)山本博道氏だったと記憶している。オーディオ趣味人でもあった彼は、壁コンセントの固定部がプラグの抜き差しで撓むため、壁を補強しようと木で自作したところ、大変音が良くなったと誌面で取りざたされた。その後、各社からあれよあれよと様々な素材で商品化され、今に至っている。

 もちろん、オイラも当時から注目していた。その頃にはすでに現用のPSオーディオのコンセントを導入しており、その強力な保持力(プラグのロジウムメッキが欠ける!)で、抜き差しすると石膏ボードの壁が割れそうに撓むのだ。しかし、壁コンセントを外す工事は電気工事の資格が要る。後回しにしていたら10数年経ってしまった。

 そのコンセントプレートをいよいよ付けることにした。それは、隣町のショップがアルミで作ったオリジナル品で、ダブル仕様なのが好都合なのだ。実は、買うから2つ取っておいてくれ・・と言ってから1年以上になる。いよいよだ。  ~つづく~

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長年の埃が積もっている。

 




 

 

コンタクト ~消滅領域~

 2015年のフランス製B級(C級か・・)アクション・スリラーで、アフガニスタンに派遣された国際治安支援部隊が最前線で不可思議な体験をする話である。数々の賞を獲り、批評家の絶賛を受けている。多分に漏れず、こうした作品はつまらないものだ。本作も例外でなく、クソ面白くない事この上ない。

 根幹にあるのが、他所の土地には昔からのルールがあって、それは地元民からすれば当たり前の風景であり、よそ者にとっては常識外の異常事態だという認識だ。それが受け入れられないために悲劇が起こる。情報の閉ざされた田舎に都会人が紛れ込んで、衝撃と恐怖の体験をするパターンである。それはいいのだが、本作は戦時の緊迫感を持ちながら何も起こらないので観客は茫然となること保証する。

 そもそも舞台背景からして派手なドンパチは期待できない。ゆえにストーリーとアイディアが勝負なのに、そんな期待は無視して淡々と最前線を撤退するまでを描く。よく言えば、現場兵士の疲弊する精神をリアルに描いているとも取れるが、もっと観客に寄り添った造りにしたらどうかと思う。たとえば、傲慢な人間に対する神の怒りを主軸にして、未知のパワーを具現化する映像表現をクライマックスに持ってくるとか・・おそらく、そんな低俗な表現を好まぬ高飛車な監督なのだろう。オイラの気に入らない人種だ。


『コンタクト―消滅領域―』予告編

この予告に騙されてはいけない。本編は昔のロシア映画のように悠長で地味だ。

 

アーカイヴ

 昨年公開のイギリス製B級SF作品。

月に囚われた男」のスタッフが再度作ったSFとの触れ込みで、期待してレンタルした。関与しているのは映像美術だけであるが、近未来的な閉鎖空間やミニチュアを使った引きの背景描写など、古参のSFファンをニヤリとさせてくれる。

 物語はアンドロイドの製作にまつわる話で、スタトレTNGにすでにあるアイディアだ。よって新味はないのだが、自立したAIが感情豊かで、愛や嫉妬に目覚めていく様が面白い。それはロボットやアンドロイドの造形があえて稚拙であり、動きが人間らしいところからして作為的だ。低予算を逆手に取った上手い演出だと思う。それでも3年弱の期間であまりにも急速なロボット工学の進歩や、不可解なセキュリティ異常と侵入警報、死んだはずの妻が幻のように現れるシーンに首を捻りながら緊迫感が増してくる。

 さてこの新人監督、どうも日本びいきのようだ。舞台が山梨県らしい。ということは富士の樹海なのか?施設のメカは日本語交じりのエヴァ風で、コンピューターの毎朝の挨拶も流ちょうな日本語だ。いや、それだけではない。

 本作のクライマックス、迫りくる敵と妻のデータ上書きを嫌がるアンドロイドにこの主人公はどうするのか。SF慣れしたオイラでも先が読めない。そして驚愕のラスト、「おお~!」と思わず声が漏れてしまった。なるほど、多くの不可思議が納得できる見事な脚本だ。「シックスセンス」を初めて見たときの感慨に匹敵した。

 そして、この作品は星野之宣氏の初期短編作「荒野への脱出」と展開がソックリだと思った。この新人監督はこの古い短編SFをきっと見ているに違いない。


映画「アーカイヴ」予告編

 久しぶりにB級SFの本懐を堪能した。お勧めである。