シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

季刊・オーディオアクセサリー180号

 本誌の特集や対談を読むと、中堅機器のPRをしてオーディオ界のすそ野にいる人々を牽引したい意図が感じられる。これは、前号での福田雅光氏の発言から汲み取った規格であろうし、今後のオーディオメーカーの姿勢を変えていくかもしれない。

 今回の付録CDは、ギターとボーカルのデュオだ。初めて聴いたアーティストであるが、とても爽やかだ。録音もスッキリとした生々しさがあって、人工的な手を感じさせない。

 新商品の紹介で興味があるのはアイテックで、久々の登場である。取り扱いとセッティングを大幅に改善したΛ3.16 The Grand Premiumは願ったりの改善であろうが、あまりにも高価すぎる。オイラなら同価格のCDPを新調するだろう。それよりも興味があるのは、Λ8.24 Plusで、Λ8.24 Professionalのユーザーであるオイラは、この革新的アイディアのオプションを導入検討している。

 長年連載の「ジャズびたりオーディオ桃源郷」は近年に無く面白かった。前号から続く寺島靖国氏と小原評論家のお宅訪問記事は、互いの趣向と目的の違いが如実で痛快である。往年の寺島節が戻ってきたようだ。

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ソナスファベール ルミナ1

 先日、ミニマアマトールⅡを聴いてソナスファベールに改めて興味を持った。この小型らしからぬパフォーマンスは、もっと安価なシリーズでも同様だろうか。

 ルミナ1は同社でもっともエントリーな商品で、ペア10万円を切っている。これが大変評判が良いらしい。ゼネラル商品はソナスに似つかわしくない・・なんて古いイメージを持ちながら、隣町のショップで試聴してみることにした。

 ルミナ1を見て、まず驚いたのはその大きさだ。こんな小さかったのか・・サイズ的にはアンフィオンのアルゴン0とほぼ変わらない。しかし、武骨でシンプルなアルゴン0に対してとてもシャレた造りをしている。7層の美しい積層板によるバッフルが革張りの箱と接合されている。ユニットには薄くロゴが入り、オリジナリティを演出。純粋なイタリア製だ。さっそく聴いてみよう。

 山積みのセッティグなのに実に抜けのよい音だ。瞬時にこりゃ楽に歌うスピーカーだと感心した。そして、らしからぬ低音はこんな小型でも健在、他のお客も感心している。バイオリン協奏曲も難なく再生、ジャズのアタック音やボーカルの艶もゼネラルランクとは思えない再現だ。実際の能率を知りたく、PMCに切り替えるがさほど音圧は変わらない。84㏈との公証表記だが、インピーダンスが低いので音圧感があるのだろう。

 これは評判が高いのが頷ける。この価格なら超ハイCPだ。ただ、気に入らない部分もある。ボトムバスレフのある足元は、触れてみると強化プラスチック製ではないか。私的には10万円を超えてもいいから、鋳鉄やアルミで成形してほしかった。また、棚の上に置く想定なのか専用スタンドが無く、スタンドと固定する構造を持たない。これはアンフィオンも同様で、音は良いのに残念な造りだ。

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退役

 突然であるが、3月で現職を退くことにした。いわゆる早期退職だ。

 地球を守り続けて36年、疲れてボロボロになったカーク艦長は、退役してネクサスで幸せに暮らしたいのだ。本当は事情があって昨年から決まっていたことで、決して不祥事を起こしたわけではない。

 さて、退職すると今まで気にもしなかったことが深刻な問題としてクローズアップしてくる。それは健康保険や年金、税金などである。サラリーマンはほとんど確定申告もしないし、給料天引きで納付されてしまうので、現役のときはまったく考える必要がなかった。今更ながら、無職になるには金が掛かることを思い知った。

 まず、健康保険をどうするかが一大事だ。今まで大変な額の保険料を払っていたことを知り、これは無職になろうが無料にならない。年金が入るまで自腹で納めるか、ムッス~の被扶養者になるしかない。

 年金の受給時期と、個人年金の在り様を早々に決める必要がある。そのため、考えもしなかった面倒な計算を行って、数パターン検討している。特殊な職業人は公的年金の受給時期も一律ではないからだ。それよりも、早期退職なのでまだ60歳までの年金の掛け金を払わねばならない。これも無職だろうと国民の義務だ。

 税金は予想外の出費があることを知った。所得税はその年で年末に調整されるが、住民税は前年の所得から計算されるらしい。つまり、無職になってから何十万円も納めねばならないわけだ。

 もちろん、新たに何らかの職を探すつもりだが、普通の市民として働く術を知らないので先行きが思いやられるわい。

 

 

 

愚かな商品 ケーブル・インシュレーターその3

 ケーブルインシュレーターの効用は理解した。オイラも10年前の認識ではない。しかし巷の高額な商品は今でも愚かだと思っている。

 ケーブルを浮かせるのなら工夫一つで金を掛ける必要など全くない。前回、100均でコードクリップというものを見つけてきた。ただ効果があったのか分からない。今回、またもや100均で良さげなものを見つけてきた。洗濯挟み(ピンチ)である。

 しかしこれは誌面で話題になった頃、すでに福田雅光氏が紹介している。ただ、使い勝手と質のよいものが見つかったのだ。それはダイソーやレモンには無く、セリアで見つけた。ステンレス製で、握りの部分が平らなので自立して置けるのだ。

 さっそく試そう。サードシステムのSPケーブルが未対策なのでちょうどいい。サブウーハーの振動を受けていよう。この対策がゼネラルシステムに効果があるか興味深い。ソフトはNHKクラシック音楽館から録画した原田慶太楼とN響による「新世界」を使う。

 音は変わった。見通しが良くなったが、コンパクトにまとまった感が強く、広がりを求めるAVには向かない気がする。映像が主となる場合、細かな音質より派手な音場が欲しくなるものだ。となれば・・ソフトをCDにしてみよう。ホリーコール・トリオを聴いてみる。

 こりゃぶったまげた!曇りが晴れてボーカルはスッキリし、本来の響きがシッカリ聴こえてくる。ベースの低音なんて完全に別物。正にピュア・オーディオ的には絶対に必要な処置だ。洗濯挟みは床から浮かせるだけでなく、挟む力でケーブル自体の振動をスタビライズする効果も大きいのではないか。ゼネラルシステムでこの絶大な効果が欲しいなら、セリアに行くべし。

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ちなみに、機器本体の対策が先にあることが前提だ。その場合、ゼネラルオーディオには鉛が効果的だと実感している。

アフターサービス期間

 商品に対する保証期間は、どのメーカーも通常1年である。それは常識なのだろうが、その後のアフターサービスが重要だ。

 実は先日、母親の家のポットが故障した。それは、象印の保温ポットで、蓋部分のパッキンが経年劣化でボロボロになってしまったのだ。聞けば、購入して20年になるという。まず、熱を発する器材は劣化しやすい。それを20年も使い続けられた事がすばらしい。さすがメイト・イン・ジャパンだ。

 話はこれからで、母は修理パーツが無いかと電話したらしい。通常、家電品は生産終了から8年ほどで補修パーツも置かなくなる。ところが、速攻で補修パッキンがあると返事があり、価格も1000円に満たない。実際、オイラが入手して補修したのだが、20年も前の商品をまだこれから使い続ける人のために、消耗品を用意して待っているメーカーの姿勢に感銘した。

 すぐ潰れる三流商品は別だが、日本製の信頼性を痛感した。では、オーディオ界ではどうだろうか。CDPのレンズは、10年も経たずに劣化して読み取り精度も低下する。ディスコン間際に購入すると、この商品が8年以上経過後の悩みだ。しかし、エソテリックもマランツもレンズ交換は10年以上前の商品でも対応してくれる。アキュにあっては、ほとんどの過去商品は修理可能だ。オーディオ機器は長く使ってこそ使用者の念が刷り込まれ、単なる時代遅れでは無くなる。だから愛機というものが生まれるのだ。

 使い捨ての世の中、長く使ってほしいという姿勢が見えるメーカーは、消費者から捨てられないだろう。

ソナスファベール ミニマ・アマトールⅡ

 隣町のショップにある電気工事の依頼に行ったら、凄い音のソフトがあると聴かせてくれた。それはジョン・ウィリアムスとウィーン・フィルによるライブ盤で、グラモフォンレーベルの2枚組SACDだった。

 音が出るなり、瞬時に只者でない音質だと分かった。低音の沈み込みと広がり、広大な奥行き感。なんというか、テラークや昔のフィリップス輸入盤を思わせる。しかし、オイラはその音を放出しているこのスピーカーの方に感心してしまった。それはミニマ・アマトールⅡだ。

 ミニマを初めて聴いたのは、平成7年ころに大阪の逸品館でのことだ。当時の清原代表に伺うと、ハーベスHL5やソナスのミニマを気に入っておられた。たしかに小型とは思えない、濃密で腰の据わった音に感心したものだった。それがリニューアルしたのが本器である。

 一回りほど大きくなったが、相変わらずの見事な木工エンクロージャーで、ペア50万円強と高価。大きさだけで言えば、10~20万円ほどでゴロゴロある小型スピーカーと変わらない。ところが、この個体に見合わない重厚な響きと怒涛の低音感はなんだろうか?物理を超えたかと思わせるパフォーマンスである。これがそのまま狭い自宅で鳴るなら・・と50万円をポンと出す人もいるに違いない。背面には実にシッカリした造りのバイワイヤ端子があり、タスキ掛け接続している。試しに高域端子側に揃えて聴くと、大変音が痩せてしまった。これほど音が変わるスピーカも珍しい。

 この試し聴きのシステムは、アンプがクレルの古い超弩級アンプであり、小型スピーカーの弱点を力技でねじ伏せている可能性はある。それでもやはりソナスのスピーカーは一味違うな。

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著名な方々が、大型スピーカーからソナスの小型スピーカーに乗り換えているのも分かる気がした。