隣町のショップにある電気工事の依頼に行ったら、凄い音のソフトがあると聴かせてくれた。それはジョン・ウィリアムスとウィーン・フィルによるライブ盤で、グラモフォンレーベルの2枚組SACDだった。
音が出るなり、瞬時に只者でない音質だと分かった。低音の沈み込みと広がり、広大な奥行き感。なんというか、テラークや昔のフィリップス輸入盤を思わせる。しかし、オイラはその音を放出しているこのスピーカーの方に感心してしまった。それはミニマ・アマトールⅡだ。
ミニマを初めて聴いたのは、平成7年ころに大阪の逸品館でのことだ。当時の清原代表に伺うと、ハーベスHL5やソナスのミニマを気に入っておられた。たしかに小型とは思えない、濃密で腰の据わった音に感心したものだった。それがリニューアルしたのが本器である。
一回りほど大きくなったが、相変わらずの見事な木工エンクロージャーで、ペア50万円強と高価。大きさだけで言えば、10~20万円ほどでゴロゴロある小型スピーカーと変わらない。ところが、この個体に見合わない重厚な響きと怒涛の低音感はなんだろうか?物理を超えたかと思わせるパフォーマンスである。これがそのまま狭い自宅で鳴るなら・・と50万円をポンと出す人もいるに違いない。背面には実にシッカリした造りのバイワイヤ端子があり、タスキ掛け接続している。試しに高域端子側に揃えて聴くと、大変音が痩せてしまった。これほど音が変わるスピーカも珍しい。
この試し聴きのシステムは、アンプがクレルの古い超弩級アンプであり、小型スピーカーの弱点を力技でねじ伏せている可能性はある。それでもやはりソナスのスピーカーは一味違うな。
著名な方々が、大型スピーカーからソナスの小型スピーカーに乗り換えているのも分かる気がした。