ダリの試聴は1時間ほどで終わり、午後はB&Wの新旧比較試聴である。旧品として持ち込まれたのがマトリックス801Ⅲなので興味深い。昔の愛機だ。これと最新の800Dシリーズ上位3機種と比較だなんて無茶である。803D3ですら801Ⅲと約3倍も価格差があるぞ。担当者もそこは承知で、比較と言いながら曲を毎回変えていく。そのSPに合った曲を選んでいるのだ。こりゃ期待と違った目的の無い試聴会である。そんな流れであっても、今聴く801Ⅲは残酷なほど時代遅れに感じた。
最後の大とりは当然、最上位機の800D3だ。で、そこからが面白かった。オーディオ・クエストのSPケーブル比較試聴となったからだ。これまで使っていたのはフォークヒーローシリーズの「ウィリアム・テルZERO」という中堅ケーブル(中堅といいながら3mペアで474,000円だ!)で、これに低域専用のBASSというケーブル(これも364,000円・・)とバイワイヤーにしたものとの比較である。純粋なケーブル比較ではなく、同社の技術披露である。しかも次元の違う価格にどうでもよくなったが、聴けばこれはかなり音が違うのが分かる。これを聴いてしまえば、金持ちはZERO+BASSで買わずにいられないだろう。酷い罠だわ。しかも、さらにそこから上があった。
最上位のミシカル・クリーチャーシリーズの最高峰「ドラゴンZERO+BASS」を試聴させてくれるという。(ZEROが4,716,000円、BASSが3,604,000円!!!!)
マーラーの6番を聴いたが、もはや・・何も分からん。( ゚ ρ ゚ ) ウィリアム・テルとドラゴンの10倍差とは何なのか?800万円を超えるケーブルからは、常人が云々してはならないというお告げが聴こえる。
ドラゴンのカットモデル。数千万円のSPを持つ御仁だけが、アクセサリーと呼んで良い商品。