2015年公開の超A級ファンタジーエンタメ作品。
オイラは無情報で観始めたため、本作がピーターパンの前日譚話ということを知らなかった。第二次大戦中の孤児院に突如、空飛ぶ帆船が現れて孤児たちをさらっていく。そのとき、主人公と生き別れとなる親友がいるのだが、この伏線回収はラストまで引っ張る。かくして、ネバーランドにとらわれた主人公の行く末は・・敵の親玉に黒ヒゲ、仲間となるのがフックと既知の名前が出て来て、やっとこれはピーターパンの話なんだと分かった次第。
オイラの知る俳優は、黒ヒゲを演じるヒュー・ジャックマンぐらいなものだ。特殊メイクでもないのに、アップで見ようが体格を見ようがまったくヒュー・ジャックマンとは思えない。見事な変身ぶりだ。タイガー・リリーの役に白人を起用して物議をかもしたらしい。今時そんなことも予測できないスタッフが、ファンタジーを手掛けるなんて・・呆れたものである。
作品自体はまったくトゲの無い、夏休み子供劇場である。ファンタジー作品の中でも本当におこちゃま向けで、ネバーランドに来ても、ほとんど4人の会話とアクションだけで通している。登場人物を極端に絞って分かり易くしているのだ。フックはSWのハンソロとまったく同じだし、ピーターパンの能力そのものが地味なので、クライマックスは無理やり派手なCGで見せ場にしている感が強い。こりゃ間違いなく大赤字だっただろうと思ったら、案の定であった。脚本の時点で超A級予算を使って回収できるか分かりそうなものだが。
ピーターパンをやるなら、大人にならない主人公をフリーレンみたいに扱って後日譚をやれば面白いと思う。