2022年公開のB級モンスターパニック作品。
舞台は第2次大戦下の米軍爆撃機内が大半で、さらに前半は下部銃座に閉じこもった主人公の一人演技という、これまで観たこともない展開である。その主人公を演じるのがクロエちゃん。もう既婚者を演じる齢になったんだねえ。
とにかく本作の呆気に取られる脚本は新鮮で、上映時間90分弱の中で一時も目が離せない。何の前振りも無く登場するグレムリン（猿コウモリみたいなモンスター）や、何故か遭遇する敵の日本軍機と、めちゃ慌ただしい。こりゃツッコミどころ満載のヒデエ駄作だと思ったら、主人公が必死で守るカバンの中身が分かってから評価は一変する。
乗組員は襲い来るグレムリンとゼロ戦攻撃にバタバタ倒れ、底知れないスーパーウーマンのクロエちゃんはボロボロの爆撃機を不時着させる。それでも生きていたグレムリンをタコ殴り！バカな男どもは見ているだけ。いやはや、こりゃ女性賛歌＆男性蔑視の痛快な作品である。監督は無名の女性で、これを男が作ったのならさらに褒めたところだ。
「キック・アス」でぶっ飛んだ役を演じたクロエちゃん、本作でも切れてる姿が似合うこと。ヒットガールのイメージがある彼女のための作品で、その徹底ぶりは実に潔い。マイナスと思っていたハチャメチャ展開も、観終わってみれば味だと言っていい。
久々に新鮮なスッキリ感を味わえた佳作だ。
