シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ルームアコースティックの問題 その3

 エコーバスターの横置きが効果的だと思ったが、疑問もある。

 そもそも、広がりを出すのに吸音体を用いるのは逆ではないのか。エコーバスターは、対面の巨大なカーテンとの整合を目的としたものだ。本来、反射を利用するライブな手法の方が音場が広がるものだろう。まあデッドな方が濁りは減少するため、収録された響きが正確に得られるのは間違いない。よって音の精度は高まるので、その改善意識が音の広がりを妨げているのでは・・確かめるため、エコーバスターを縦置きで持ち上げた状態に戻し、さらにFAL直近の側面に遊んでいたミニソネックスを置いてみる。ミニソネックスは東京防音の特殊ウレタンで、30年ほど経過しているのに加水分解していない。

 音の精度はさらに高まって静けさが増している。クラシックの音場はエコーバスター横置き同様、違和感があまりなくなった。しかし、音の活気が失われた感じだ。明らかに吸音のしすぎである。しかも逆相の音はまったく改善せず、むしろ左右差が大きくなっている。もしや・・ミニソネックスはそのままに、思い切って2つのエコーバスターを取り払ってみる。そして背面である部屋の左隅に置いてみた。実はこれが正解であった。

 今まで経験のない左スピーカー外側に広がる音場が現れ、包み込まれるような感覚を初めて味わった。こんな単純なことで・・エコーバスターは我が家では癌だったのか?そうではなく、左後方の角が居所だったようだ。音がライブになって音圧が明らかに増しているが、混濁を抑えるのに寄与していると思う。音像は若干肥大しながらも位置精度は変わっていない。過去の経験では間違いなく左に音像が寄ってしまうはず。なのにボーカルは中央からまったくブレていない。謎である。

 広大な音場が再現できたのは喜ばしいが、SNが低下して深い奥行きや凛とした静寂は後退した。とりあえず今回の目的は果たせたので良しとしたい。課題や謎はあった方が楽しいものだ。

後から考えると、FAL直近の側面だけを吸音したのがよかったようだ。