オイラくらいの歳になると親が他界するようになり、お墓を意識するようになる。しかし、なかなか通うのは大変だ。
父親が他界した時に長男がお墓を建てたのだが、生花を持って枯れる前に毎回墓参りしたのは2ヶ月が限度だった。お墓は近くにあるのでいつでも行けるのに、それでも花を枯らさないように努める修行は続かない。
年末での事だ。母親が車の免許を返納したので、母方の墓参りに付き合った。住職へのお歳暮を持ってお花を持って・・おや?これ、造花じゃないか。母が言うには造花でいいと和尚から聞いたそうだ。たしかに造花なら枯れることは無い。色褪せる頃に取り替える必要はあろうが、実に便利だ。風で飛ばないように固定すればずっと奇麗なものである。他のお墓を見ると、まともな状態のお花は少ない。枯れたままにするより、造花の方が遥かにいいだろう。
自宅に戻り、さっそく父親のお墓に行ってみた。花は何もない。周りのお墓もまともな状態の生花は殆どなかった。造花を飾った墓は無かったが、オイラは先陣を切って奇麗な造花の花束を添えてきた。ただ、これでまた墓参りに足が遠のくかもしれない。