2018年のスピルバーグによるA級SF作品。
本作は7割以上CGじゃないだろうか。VRゲームの中でクリアを目指すという単純なストーリーに2時間20分掛け、莫大な予算を引っ張ってくるなんて、スピルバーグかJ・J・エイブラムスくらいしかできんだろう。
VRゲームの中なので、どんな荒唐無稽であろうと矛盾無く何でもできる。ある意味、ズルイな〜的オイシイ話だ。それをいいことに、過去の様々なキャラクターが登場。これがまたスゴイ!よくこれだけ許可を得たものだ。日本生まれのヒーローも結構大きく取り上げられ、なかなか楽しい。
ユニークなのは、テーマ的に若者をターゲットにしているかと言えば、登場するキャラが結構古かったりするのだ。オイラの世代が夢中になった時代のヒーローが多くモチーフにされている。さすが少年の心を持ったスピルバーグといったところか。
ゲームの固有のルールを使った作品は、とても理解しやすいので大衆にウケるのだろう。本作以外にも最近見た「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」や、トムの「オール・ユー・ニード・イズ・キル」が記憶に新しい。登場人物が自由なアバターになって冒険をする。ゲームだから死んでも死なない。(笑)特に本作はアイデア云々ではなく、ストレートにVRゲームの世界で勝負しているのがアッパレだ。途中でディスニーが配給だったのかと勘繰ってしまった。
オイラは特撮やCGは、それとは分からないさり気ない使い方が好きで、コテコテのCGでSF感を表現するのは好きではない。それは映像技術に溺れてアイディア不在になりがちだからだ。ところが本作ほど徹底的にやれば文句はない。夢いっぱいの玉手箱もいいものである。