シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

恐怖の海

 台風20号が行った。幸い、静岡を逸れたコースとなったが、その直前に水難事故があった。
 静岡市では三人、オイラの住むところでは一人が海に引き込まれてしまった。それに伴い、救出活動が開始される。しかし、それは傷病者が確認されている場合で、未確認となれば捜索活動に切り替わる。
 捜索は日の出から日没まで行われる。夜間は広大な海に対して危険で、人間は無力なのだ。そして、台風の上陸という超危険な状況である。台風により黄土色の荒れ狂う波は凄まじく、海岸は誰一人いない。ジムニーを4輪駆動に切り替えて砂浜を捜索し始めるが、途中から時間降雨量20㎜以上の豪雨が襲い、ほとんど前が見えなくなってくる。もはや身の危険が甚大な状況だ。
 翌日、早朝から捜索開始。台風一過のイメージはピーカンの晴天なのだが、今回は違う。梅雨時の空のようにどんよりとした雲、時折り雨が降り始める。波はまったく静まる様子を見せない。普段なら釣り人やサーファーで賑わう浜にはカラスが一羽いるだけだ。ゴミや流木を踏みながらスタッグしないように車を走らせる。轍を見失わないようにしないと極めて危険。不気味な風音と共に、泡が波の花のように舞う。ここは地獄の入口だ・・
 漁港付近に来ると、ちらほらと車が見える。車には施設の名が書かれていて、どうやら高齢者福祉施設の専用車のようだ。それが3台も何をしているのか。どうも、荒れ狂った波を見に来たらしい。いつの時代でも、怖いもの見たさで身を動かすやからがいるものだ。