間違えて同じディスクを買ってくるのではなく、音質のためにあえて買い直す事がある。
これはよほど気に入った曲が入っている場合で、それがもう一つ音が良ければ・・と思っているケースに限られる。何故なら、微妙な違いが判らず無駄な投資になる可能性が大きいからだ。
今回、その気になったのは五輪真弓の1980年にフランスで録音した「恋人よ」が、BSCD2で再販しているのを見つけたからで、以前よりCD選書シリーズのものを持っている。音が悪いと評判のCD選書と、音が良いと評判のBSCD2はいかほど違うのか。興味が抑えられなかった。
まずはCD選書を聴く。久々に聴いたが、このアルバムは元々録音が良いので、まったく耳障りな感触もなく、中央定位も見事である。しかし、やはり歌謡曲独特のバック演奏がしゃしゃり出るバランスの悪さを感じる。
BSCD2に替えてみる。予想通り録音ゲインが高い。まずはボリュームを合わせないと、勘違いするのだ。僅かでも音圧が高い方が音抜けやレンジが良く聞こえてしまうからである。
騙されないように聴き始めるが、まったく気合抜けするほど質が違う。SNも高く、レンジも広く、間接音も伸びやかに広がり、ボーカルがバックの演奏を退ける存在感を魅せる。バランスの違和感が全くない。最近の優秀録音盤と比べても遜色のない高音質である。むしろ、新録の厚みを持たせたわざとらしさが無くて、スッキリしているのが好ましい。
今回の買い直しは大成功である。
右がBSCD2 見た目はそっくりでも、質は桁違いである。