シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ダーティー・コップ

昨年公開のB級クライムサスペンス作品。
 本作の主人公はロクでもない汚職警官で、まったく正義もへったくれもない。B級作品は何か思い切りが必要だが、本作はいいところを突いている。
 映画のほとんどはニコラス・ケイジイライジャ・ウッドの2人で進行し、このうだつの上がらない2人の警官が、つまらん日常に嫌気をさして強盗にチェレンジする。この2人、友達同士であるが性格が全く違い、そのコンビのボケと突っ込みが実に面白い。これはニコラスとイライジャの実力があってこその存在感だ。特にニコラスの悪事に対する思い切りと、アッケラカンとした性格描写が実に良い。それについていけなくなるネガティブなイライジャもいい演技だ。彼もロード・オブ・ザ・リングの呪縛から解き放されたようである。
強盗に成功しながら悪に染まり切れないA型男と、悪に吹っ切れたB型男の決裂が見所で、実にあっさりしたものである。ニコラスの手に握られた2枚の旅行チケットが本作のいいところだ。
悪事に手を出した2人は結局死ぬ運命にある。哀れに思い助け出した女の計略で、つまらない死に方をするイライジャ。落としどころとして悪くない。
本作は2人の魅力が結構楽しめるB級品で、この新人監督は目の付け所がいいと思う。