シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ノックアウト

 昨年製作のC級SFスリラー。
 主演は一応、ダニエル・チャクランというアクション女優になっている。スタントを自らこなす美女の触れ込みで、これから売り出そうというマーケティングが鼻につく。それにしては彼女の経歴は長く、遅すぎる気がする。可愛いし、なかなか動きがいい。マーシャルアーツが身についたアクションも悪くない。ジェニファー・ローレンスより遥かにイケてると思うのだが。
 話を戻すが、彼女のアクションを売りにするつもりの邦題だろう。これがほとんどサギに相当するくらい合っていない。原題は「626 Evolution」とSF風味を出している。それもまた実は成っていない。本来なら「446 Evolution」とすべきである。つまり本作の主役は彼女ではなく、ほぼ無名のルビー・ジョーンズという新人なのだ。
 C級でもなんとか魅せようという点では、前半は合格点だ。監視映像を見ている目線で語りが入るのが面白い。中盤ダレて眠くなるが、語りがそこをカバーしている。
 しかしクライマックスがまったくダメである。いくら金がなくてもここは見せ所にしなくてはいけない。面白かった前半の監禁や学園内のイジメ表現がまったく意味のないものになってしまっている。なんの盛り上がりもなく、ラストまでダラダラと窄んでいく始末。
 この無名監督は観る者がこのラストで満足すると思ったのだろうか。また、ダニエル・チャクランの半端な扱いは何なのか。彼女は周囲に恵まれないツキの無い女優である。