シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

追憶の航海 その視点

 宇宙戦艦ヤマト2199「追憶の航海」をDVDで借りてみた。本編を何度もリピートしているので、内容を期待して観る意味は無い。
 昔のオリジナルも映画化第1作目は総集編であった。これがまた酷い編集であったので、同じ愚挙を繰り返すのは何なのか。それを知りたかったのだ。キャッチコピーに「新たなる視点で編集した・・」とある。それを期待して拝見したところ、なるほどと頷くものであった。
 まず、オープニング前に冥王星での戦いをいきなり冒頭に持ってきた斬新な編集にニヤリとさせられる。そして、2時間にまとめ上げるために大胆なカットが必要だ。しかし物語の進行上、メルダ・リッツとの出会いや、クルーの反乱、ドメルの登場などは避けられない。しっかりガミラス内の不穏な動きも残していて、上手い編集である。
 新たに加筆した部分のほとんどは、七色星団での戦いにおけるマニアックな描写であるという点も、メカファンの期待に沿ったものだろう。大体が、ストーリーを解っていて観に行く連中はそうしたマニアが多いはずだ。
 さて、新たな視点とはなんだったのか?編集のため、古代の声で語りをさせた事が視点をどう変えたというのだろう。本来視点を変えるというなら、例えばザルツ人の視点で再構成するという位の違いがほしい。それは大幅な加筆が必要となろうが、我ながら面白いと思う。
 本作のクライマックスはイスカンダルを後にするシーンまでで、感動のラストシーンはクレジットのバックに流して終わる。これを観て分かったのが、「星巡る箱舟」の前哨戦、前説という視点で作られたということだ。なるほど一本とられたわ。