シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

 マーベル最新作をGウィークの込み合う中で鑑賞。結論を先に言えば、本作は今まで見てきたマーベル作品の中で一番良いデキである。
 ヒーローの活躍の裏に犠牲となる市民があり、その葛藤を描く今時のブームに乗った4〜5番煎じの話であるが、暗くなりがちなテーマを主軸としながらもエンターティメントとして大変上手くまとめ上げている。それは同じテーマでプロレスアクションも同じ「バットマンvsスーパーマン」と比較すれば明白だ。
 本作の中盤で多くのヒーロー同士が激突する場面は、明らかにファンサービスであって、その証拠にマジではない笑いの演出が秀でている。スパイダーマンアントマンといったコミカルなヒーローをこの場面だけに持ってきたのがその証拠。いや、実に見事なバランス感覚だ。「バットマンvsスーパーマン」で言えば、二人の戦いに相当する場面でありながら息抜きに仕上げているのである。この感覚がヒーローモノには必要で、リアルに描こうという戯けた考えを持ってはいけない。それでも、テーマの重さをしっかり受け止められるラストに仕上げたから素晴らしいのだ。この戦いにハルクやソーを出さなかったのは正解。プロレスにならなくなってしまう。
 この映画を観ると、昔の新日プロとUWFの抗争を思い出す。ヒールは存在せず、イデオロギーの戦いだ。なにより、ヒーロー同士が戦って和解して、共通の敵を・・というチープな話にしなかったのがエライ。株を下げたスーパーマンバットマンは当時の全日プロと被る。
 エンディングの後、立ち上がる客はいない。だれもがオマケを期待しているのだ。案の定である。しかし、2段構えであるのを予期できなかった客も1割ほどいた。照明が点くまで腰を上げてはならない。

本作は重い復讐劇であり、それを緩和するためにアントマンスパイダーマンは必要不可欠な要素になっている。新人の扱いが上手いのは優秀な証拠だ。