スーパードラマTV、今週のTNGは35話「人間の条件」だった。本作はトータルで数百話にのぼるスタートレック・シリーズの中でも、5本の指に入る名作だと断言する。
方向性を模索していた、第1シーズンは不安定なものであった。第2シーズンに入り、髭ライカーが似合うと印象付いたところで、前回賞賛した34話「錯綜した美学」で新しいスタートレックの方向性が垣間見えた。そしてこの35話である。
話は人間に近いアンドロイドがモノなのかを裁判で争うわけだが、決して難しく地味な展開にしていないのがスゴイ。派手な演出こそ無いものの、それが返って静かなピカード艦長をクローズアップして、クライマックスの迫力に圧倒される。
哲学に踏み込む一歩手前で解決する分かりやすさ、ピュアなマシンが最も男らしく、人間らしかったというオチがすばらしい。今回、何回目のリピートだろうか。初めて目頭に涙が滲んでしまった。
結末や次のセリフが分かっていても、以前より感動してしまうという希な作品である。私的に、本作がスタートレックを長大なSF傑作シリーズにしたキッカケではないかと思っている。