シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ゲット・バック

 昨年公開のニコラス・ケイジ主演によるアクション佳作。
製作費もB級レベルで、息抜きかと言えば違うと言わざるを得ない。監督はサイモン・ウェスト、製作陣にも有名スタッフが勢ぞろいで気合いが入っている。
 お話は銀行強盗が捕まって改心したものの、昔の仲間に恨まれて娘がさらわれ、奪還するためにはまた強盗をすることに・・といったありそうなネタである。しかしさすがサイモン・ウェスト監督、観せる魅せる、上手いのである。
 エクスペンタブルズ2では、怪物だらけで持ち味を発揮できなかったが、本作ではニコラスに集中すればいいので実力が十二分に注ぎ込まれている。彼の映画らしく、楽しいキャラとダレない展開、そして気が利いたラストショットは本作でも遺憾なく盛り込まれた。ニコラスも自然体な演技が好ましい。一見地味かと思ったが、スピーディな展開が低予算をカバーして密度の濃い95分間になった。
 脇役ではFBIのリーダーを演じたダニー・ヒューストンが実に味わい深い。まるで銭形警部だ。その部下に、ヒューマンターゲットのマーク・バレーが情けない役で出てくるのが面白い。
アクション大作を手掛けることが多い監督であるが、今回のような佳作もツボを心得たものでレンタルして損はあるまい。

この予告は誤解を生みそうだ。10億円強奪の方法云々は本作の主題でもなんでもない。