シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ELAC コンチェントロ S-507

 ELACはハイルドライバー方式のツィーターを採用したメーカーで、市場では小型のBS 312シリーズが有名だ。大きさからは想像ができないパワフルな低音が魅力で、程度の良い中古があればセカンドスピーカーの候補でもあった。そのELACのハイエンドがコンチェントロシリーズで、S-507はディスコンとなっている。その新品同様の中古品が隣町のショップに鎮座しているので、どんな音か聴かせてもらった。

 まず、その変態的な容姿に触れねばならない。ハイルドライバーを同軸化したミッドハイとミッドローユニットが正面にあり、ウーハーが両側面に2発づつという変則4ウェイ構成。超モダンでレトロ感もある斬新なエンクロージャーが目を引く。この唯一無二の個体からどんな音が流れるのだろうか。

 な、なんじゃこりゃあ?思いっきり中低音が籠ったモッサリ音で、まったく前に出てこない。フワッフワしたいならどうぞ~♫ で終りにしてもいいが、ここまで酷いと逆に興味が湧いてくる。因みに、マランツのハイエンドCDPとアキュによる駆動だから、組み合わせに問題はない。よくよく聴いていると、高域の伸びはあって綺麗である。ボーカルに締まりが無く、そもそも音像が掴みにくい。明らかに余計な音が被っていて、ガラス越しに鳴っているみたいだ。重低音はさほど伸びているようではない。大太鼓の再現が寂しい印象で、4発にしては迫力が無い。音場は広大で、両スピーカーの外側に見事に広がっている。聴く前から低音が凄く出てくると言われたが、正常な音とは思えない。この店のこのポジションは低域が豊かになり易い傾向にあるので、それが何らかの影響で顕著になったのだろうか。S-507は税込み200万円を超えるスピーカーだ。ウーハーが側面に付いたスピーカーは、セッティングが難しいのかもしれない。

 そういえば昔、似たような経験をした。それは懇意の店がFALの試聴会を開いた時だ。あまりにも音が酷いので、本当の音が知りたくて秋葉原の試聴室まで出向いたものだった。あれから17年近い付き合いとなっている。このS-507もその類だろうか。