2022年公開のB級SFサスペンス作品。
主演のクラウディア・ブラック以外は知らない俳優。彼女もあまりに老けて、スターゲイトSG-1のときの面影が無い。いわゆる安っぽい宇宙もののSFの一つになるが、よくある話と思わせながらも緊張感を強めに最後まで観る者を引っ張る。
B級SFはアイディアが重要、その意味ではクライマックスのオチとなる真相は新味があっていい脚本だ。ただ、宇宙船内の数少ない搭乗者だけの展開なのに個々のバックボーンがまったく語られない。俳優が無名であることも相まって、まったくドラマとして薄っぺらく感じてしまう。人物紹介は序盤のダレる要素という判断は分るけど、何か特徴を付ける描写があってもいいだろう。ただでさえ登場人物が少ないのに、何者かも分からないままサクサク死んでしまっては、何のために居たのかも疑問に思ってしまう。
本作はA級予算を掛けてもう少し著名な俳優を使い、2時間くらいの作品にすれば化けたような気がする。CGも若干荒いし・・邦題の「侵略」と言う余計な副題は、B級だから付けられたレッテルだ。大作に仕上げてあれば原題の「DEUS」で恰好が付いたと思う。B級で仕上げるには風呂敷が広すぎた感があり、ちょっと勿体ない気がした。