還暦近くになって、苦髪楽爪(くがみらくづめ)という四字熟語があることを初めて知った。PCで変換しても出てこないので、あまり一般的ではないのだろう。
意味はそのまま字の通り、苦労しているときは髪の毛が早く伸びて、楽をしているときは爪が早く伸びるということだ。これは本当かググってみたが、どうも生理学的には根拠が無いらしい。「苦爪楽髪」という真逆の言葉もあって、それが同義語扱いされているので、未完の慣用句といったものだろうか。
なぜこの怪しい四字熟語を持ち上げたかと言うと、今年の3月に退職してから明らかに爪が早く伸びるのである。たしかに、緊急事態に備えた職務を降りて精神的な負担から解放された。これが「楽爪」の理由ならば、生理学的に説明できそうなのだが「苦髪」が当てはまらない。散髪屋のポイントカードを見ると、退職前の年からほぼ2カ月に1回のペースで切っているのだ。まあ、オイラも相当頭が薄くなってきたので、もっと若いときに脱サラすれば違ったかもしれん。
根拠がなくとも、昔からの言い伝えは侮れない。