レンタル落ちのCDは、ついに100円の正札が付けられた。
500円から350円、さらに5枚で半額、そしてついに100円である。缶コーヒーより安いのだ。中古CDショップでは、以前より50円〜100円のコーナーはあった。しかしそこには見栄えのするものはない。せめて300円以上でないとダメだ。対してレンタル落ちの場合、店サイドが一気にプライスダウンするものなので中には掘り出し物が見つかるわけ。
左はスラヴァのベスト盤。スラヴァは世にカウンターテナーという歌唱法を広めた存在だ。「もののけ姫」の方が早かったらどうだっただろうか・・なんて想像もしたくなってくる。面白いもので、地声で稀有な存在のソプラニスタより、裏声で高い声を出しているカウンターテナーの方が声に深みを感じる。しかしこのディスクはベストと言いながらも、最大ヒットのアヴェマリアがない。それはそれで突起したディスクがあるからかもしれないが、拍子抜けしたベスト盤の印象が拭えない。
右は鮫島有美子のさとうきび畑。ソプラノ歌手にして日本の歌を数多く歌っている、ザ・ジャパンと言える人。このディスクは選曲が良く、妙に古色化した和歌に振らないでポピュラーなものばかりだ。ビブラートも抑えていて平民には聴きやすい。何よりもこのディスクは音が良い。わざとらしい間接音の付加もなく、それでいて奥行感がある。
共に無傷、プラケースを変えれば100円とは想像もできないだろう。