アメリカ・スペイン合作のサスペンス・スリラー作。
観るまでは誰が主役か分からないが、それはキリアン・マーフィーというヤサ男で、「TIME/タイム」のシツコイ敵を演じたのが記憶にある。そして大御所ロバート・デニーロとシガニー・ウィーバーが両脇を固めて磐石の布陣。
内容は超能力者と科学者の対決という、ありそうで無かったお話だ。これは面白そうと即レンタル。見終わってみると、予想外に結構重い作品である。あまり親切な展開ではないので、相当真剣に見入っていないとラストのドンデン返しに素直な反応ができなくなる。これはリピート確認ができるレンタル向きの作品だ。
今さらネタバレもないが、作風としては「シックス・センス」に似ている。ただあれほど洗練されてはいない。シガニーおばさんが良い演技をしていて、それゆえ唐突な降板に観る者はあれれ?と困惑してしまう。そう、話の中盤になってやっと主役が彼だと判明するのである。そして、だれもが期待する超能力者の正体明かしは、脇のさらに脇役に任せて本当のクライマックスを迎えるという算段。
大作の10分の1の予算でも面白い作品ができる、と言いたいところだろう。ただ、もう少し観る者に親切に作ったほうが良い気がする。所詮、超能力の話なのだ。