まず、いきなり失敗である。融着テープはパイプの修理にはいいが、大きな物体を縛るには向かないのが分かった。テープ自体に粘着性が無いし、思ったほど伸びないのでテンションを掛けて巻くことができない。しかたがないので、ビニールテープでやろう。
ケンウッドのR-K1000-Nは鉄板が薄く、天板、側面、底板にボン付く部分が多い。急所に割りばしをあてがい、ビニールテープを限界近くまでテンションを掛けて巻いていく。割りばしは木材なので、素材の悪い響きが乗らないだろうという判断だ。出来上がったミテクレは酷い!そういえば機器に備長炭を巻くマニアを思い出した。強いテンションは長く持たないだろうから、即試聴した。
まるで別物である。オバケが実体を持って迫ってくる。サブウーハーに手を入れていないのに低音が引き締まり、ボーカルがクッキリ立ち上がった。SMオーディオでネガティブに示唆される抑制感は感じられない。開放的とは言わないが沈むイメージも無いし癖も無い。ここまで変われば何かしら反作用がありそうなのに、まったく良いことだらけ。弩Mが縛られて喜んでいるようだ。高級機器ではこうも変わらないだろうし、やる人もおるまい。まさかこれほど良くなるとは思わなかった。
オーディオはルックスが重要なので早々に取り払ったが、あの音は出さないと勿体ないな・・何か見栄えの良い方法を考えてみようか。