宇宙海賊キャプテンハーロックの映画化。フルCG映画として、大変話題になった。
日本映画としてかなりの制作費を投入したA級作品で、ジェームズ・キャメロンが絶賛したという宣伝が耳についた記憶が新しい。実際どうなのかと拝見すると、ほんとうに絶賛したのか疑わしいものだ。( ̄▽ ̄)
たぶん、アバターの足元に擦り寄ってきたのを感心したぐらいであろう。デザイン感覚はすばらしいが、しょせんCGでリアルを追うのは間違いだと再認識した。今だに蝋人形にしか見えない。せめて動きの進歩を期待したところ、とてもモーションキャプチャーしているとは思えない不自然な動作に、ゲーム映像と同じ印象を持たざるを得ない。
内容もSF作品としてさほど新味も無く、なんとなくTVシリーズの「アンドロメダ」を彷彿させる。海賊としてアルカディア号を含めダークなイメージで通しているのはいい。本作で致命的なのは、ハーロックに魅力が無いことだ。
寡黙であればいいというものではなかろう。実はこんな主人公が一番役者として難しい。本来、オーラのある俳優が個性を滲ませて寡黙を演じることで魅力が発揮するものだ。暗い映像に暗いストーリー、そんな世界観で、血の通わない蝋人形に魅力ある主役を演じろというのは酷というものだ。
ハリウッドに映画化の権利があったときに、実写版を作っていたらどうだったろうか。ハーロックは当然、ジョニー・デップだ。(* ´>艸<)