シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ジャックと天空の巨人

 昨年公開のファミリー向けアドベンチャー・ファンタジー映画。
 ファミリー向けとは言えど、莫大な予算を掛けてスケールのデカイ作品に仕上げてあるので結構面白く見れる。ブライアンシンガー監督はツボを心得ているのだ。しかし、興行収入的には大コケした。やはり、題材から幼稚な先入感を持たれてしまうのではないか。
 ジャックと豆の木の童話は日本人でも知らぬ人はおるまい。この泥棒讃歌のお話が、こんなに有名になってしまった理由は分からない。教育上悪いので、後に修正がいくつも入っている。赤ずきんちゃんと同じだ。
 さて、本作もオリジナルと大筋を違えずに物語は始まるが、プリンセスを助けるために豆の木を登る点が大きく違う。やはりコソ泥では主人公にしにくいのだ。天空は汚い巨人の住処で、ラピュタとは大違い。王女様をなんとか救出した時点でまだ話の3分の2ほど。ここからは、ジャックと豆の木ではない。天空から襲ってくる巨人軍団と城に立てこもる人間達。もはやロード・オブ・ザ・リングそのもの。しかし、ハッピーエンドに持っていく手腕が手馴れた監督ゆえに、満足感をもって見終えることができた。
 ただこの映画には決定的な欠点がある。大赤字になるのも然もあらん、主役のジャックとヒロインのプリンセスに全く魅力がないのだ。かわりにユアン・マクレガーが頑張ってくれてるのだが、やっていることはオビワン・ケノビと大して変わらない。あと、本作は字幕版で鑑賞することを薦める。子供対象に日本語版は芸人が酷い吹き替えをしているからだ。