シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

D-WARS ディー・ウォーズ

 2007年公開の韓国映画。本国では大ヒット、気を良くして世界に配給したが徹底的にブチのめされた怪作だ。とりわけ評論家の評価はボロクソで、褒めた人を見たことがない。
そうなると、天邪鬼なオイラは俄然褒めてあげたくなってくる。( ̄ー ̄)
 これはドラゴンを題材とした韓国の一大ファンタジー作品で、怪獣が大挙して出てくることから、モンスターパニック映画のように思われるのは筋違いである。CGは見事に金が掛かったもので、その反面俳優はロバート・フォスター以外は無名だ。
 ストーリー構成、演技、カット割りに至る多くが稚拙で酷評されるのも無理はない。正直言って、子供向けに低落したゴジラシリーズと同レベルである。しかしそんなことは目を瞑ってでも評価したいのは、化け物軍団と米軍の戦闘シーン。このストレートな見せ方はどうだ!
 米国製ゴジラと比較する人もいるようだが、それは前述どおり間違っている。あれは妙に真面目ぶってモンスター対米軍を描いた駄作であった。対して本作はあくまでファンタジーであって、そのシュールな風体と突っ込み満載な戦闘シーンも、ド派手で非現実的なほど夢物語として成立するのだ。今でこそ、大都市をエイリアンやモンスターが襲ってくるストレートな荒唐無稽大作が多く公開されるようになったが、その先鞭ともいえる作品だといえよう。
 オイラが不満と思うのは、ズバリ米国を舞台としたことに尽きる。東洋的ファンタジーを白人にやらせる必然性は全く無し。これは韓国のソウルあたりを舞台にして、日本や米国はおろか中国や北朝鮮までも怪獣退治に協力するような夢物語にすればカルト的名作になったかもしれない。