シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

フォールアウト

 4月11日から配信が始まったアマプラオリジナルのデストピアSFドラマ。

 シーズン1(1話~8話)を一気に観終え、どんな背景で作られたかとググったら世界的に有名なゲームの映像化だった。バイオハザードみたいなものの一つだ。

 このドラマが配信されて、あらゆるところで感想が絶賛のルツボとなってアップされている。無情報で初めて観たオイラには、それほどこれが面白いか?と訝しげなところである。まあ、スタトレだってその世界観を知らない人が、いきなり「ピカード」を観ても何とも思うまい。つまり、この手の作品は初見の人でも楽しめるように作ってあっても、所詮は既知のファンが対象なのだ。だから批判されないための作り込みは凄い。

 初見でもその面白味は十分伝わってくる。50年代風の未来観やコメディテイストのあるグロ映像、精緻に創造されたデストピアの風情は、まさに刺激を求める現代人にピッタリであろう。一寸先も読めない展開は次を観ずにはいられない。

 主役を演じるエラ・パーネルは、昭和のアニメ顔でよいキャラを演じている。(ルーシー・マクレーンって、ダイハードの新作かよ。)何よりもウォルトン・ゴギンズのワルがかっこいい!ただ、もう一人の主人公を演じる黒人青年はSWのフィンみたいでイマイチだ。シーズン1のラストから、今後は変貌して再登場してくれるだろう。

 しかし欧米人は本当に核戦争後のカオスな世界が好きである。さらにゾンビや血みどろ描写も。根っからヤツラはあんな世界を望んでいるんだろう。


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月刊 stereo 2024/05号

 月刊誌stereoを買ったのは3年11か月ぶりだ。今回も買うつもりは無かったが、懇意の店でもこの雑誌は買わないのでしかたがない。つまり、それだけ興味深い記事があったのだ。

 それは、オーディオ論者達5組が互いに自宅のシステムを聴かせて感想を書くという、近年あまり見たことの無い企画だったからだ。実際、自分の長年作り上げた音を他人に聞かせる(それも同業者)というのは勇気がいるものだ。オイラの若い頃は、ちょっと気に入った音が出ると聴いてもらいたくてウズウズしたものだが、もはや音以前にボロ屋で客を接待するのが恥ずかしい。

 さてその互いの訪問試聴結果は、予想通り気を使ったベタ褒めばかりであった。そりゃそうである。まず、他人のシステムの音を聴かせてもらう礼儀としてネガティブな意見はご法度だ。最低限のマナーと言ってもいい。企画サイドは面白くないだろうが、喧嘩漫才をするような仲でなければ無理だ。そんな互いに忖度し合う中でも、山之内正氏が寺島靖国御大の音を評した言葉は興味深い。このくらい正反対の2人なら、言葉を選ぼうが個性がぶつかって面白い。共通するものがある同業者同士ではダメだ。ぜひ昔の長岡鉄男Vs金子英男を再現してもらいたい。

 オーディオ趣味人は高齢化して新商品にはもう達観している。オイラも高騰した機器には興味が無いので、こうした企画ならどんどんやって欲しいと思う。

 

マグネットで対策 その7〈MAIN)

 TADのサブシステムで絶大な効果を魅せたマグネット対策も、FALのメインシステムでは思わしくない結果だった。(2023-6-2 マグネットで対策 その3 参照)

 その理由は概ね理解しているつもりだ。音そのものを聴くためストレートな音を突き詰めたサブシステムと違い、メインシステムは心地よさを演出している。具体的に言えば、アキュレートな音を主軸に管球式の音色を纏わせているため、マグネット対策が裏目に出て化粧が剥がれることもあるのだろう。しかし、この対策は部位によって変化の傾向が異なると分かった。まだメインシステムのアナログケーブルは試していない。DAC~プリ間のシルバーパルスRCAとプリ~パワー間のエクリプスXLRに、100均ネオジウムマグネットを付けてみよう。

 とんでもない事が起こった。明らかに音が大きくなっている!よくある音圧が高く感じるというレベルではない。何度も言ってきたが、オイラはCDごとに試聴音量を記録している。飽和寸前の音量だ。今回何を聴いても音が大きすぎるため、音場が部屋に負けて音像が保てなくなっている。若干ハイ上がりのバランスだが、SNが良いので透明度は高い。アキュのボリュームで2dB下げて元の音量となった。

 その音は全域で高精度、輪郭明瞭でピンポイントの音像が点在して星空のようだ。クラシックだと音像同士の隙間がハッキリするためか、一聴して音数が減ったような違和感がある。それにしても驚愕の分解能である。硬質ではないが贅肉はまったくない。そこで困った事が出てきた。60年代の懐メロは録音の粗が丸見えになってしまい、音楽がまったく楽しめない。そうでなくてもポップスの伴奏が立ちすぎてボーカルと別撮りが丸分かりである。これでは音を聴くサブシステムと変わらない。

 この音は水を高速シャッターで撮った画を思わせる。水滴が落ちた瞬間のような画には新鮮な驚きと美しさがあるが、清流や滝の流れを美しく表現できない。それにはシャッター速度をわざと落とす必要があるのだ。

 やはりメインシステムには合わないと実感。まず、DAC~プリ間を外す。すぐ分かるのが音量が1ⅾBは下がった事。さらに、心地良さが帰ってきた。そしてプリ~パワー間も外すと、実に自然でこれが音楽を聴く楽しさだと納得。元に戻っただけで何のこっちゃであるが・・その3の結果を再認識した。

 マグネット対策は音楽を音に分解してしまうようだ。また、音が2dBも大きくなるなんてヤバイ気もする。ケーブルにとって、ボディビルダーステロイドのようなものかもしれない。その薬漬けとなったサブシステムは音を聴く検聴器として面白いが、自然な再生音とは言えまい。この試みはメインとサブの住み分けに明確な線引きをもたらした。

 結論が出た後、外した4セットのマグネットを試しに仮想アースに付けてみた。アースラインがノイズを拾うという噂を聞くので、何か変化があるかもしれない。その結果、なぜか酷く低音が痩せてしまい即外すことに。

 このマグネット対策は音の変化が実に大きい。ただし、どんな変化が起きるかは場所によって様々だ。安価で簡単にできてしまうだけに恐ろしい。100均だから安易にお勧めしていたが、色々分かっているベテランでないと方向性を誤るかもしれない。

蓮華寺池公園

 藤枝の蓮華寺池公園には、20数年前に幼少のムッス~達と来たことがある。あの頃は車を置くのに困ったものだったが、今は広大な駐車場が完備されていた。それでも平日の11時前には満車であった。藤の花が咲くこの季節は凄い人出だ。




マーベラス

 2021年公開のB級バイオレンスアクション作品。

 主演はマギーQ、久しぶりに観たがオバサンになっても信じられないくらい美しい。やはり、女の殺し屋を演じたら彼女の右に出る者はいない。本作でもニキータそのものである。脇をサミュエル・L・ジャクソンマイケル・キートンが締め、そのまた脇をパトリック・マハライドやT-1000型が彩る。中々豪華な布陣で緊張感の高い悪人の世界をハードに演じている。監督はマーティン・キャンベルだから、こなれたアクションを安心して観ていられた。

 その内容であるが、序盤でサミュエルが殺され、育ての親の復讐に燃えるマギーQ、敵ながらその主人公の魅力に曳かれるマイケル・キートン・・といったもの。中々意外な展開も有って引き込まれる話だ。アクションは派手さは無いが、実にハードで痛々しい。それを細身のマギーが淡々と魅せてくれる。そして、このまま敵の親玉へ復讐を果たして終わるかと思ったら、そうはならないシナリオの捻りがある。

 ネタバレであるが、実は生きていたサミュエル再登場からのクライマックスは好きではない。たしかに他の類似作との違いを魅せたシナリオなれど、これは美味しい所をサミュエルが持って行ってしまった感が強く、主人公の復讐という目的がブレたままになってしまう。この流れを通すなら、敵地に乗り込む前に2人の会話がもっと必要だ。それに、マイケル・キートンとの関係もあの終わり方は味気ない。終始ハードで通すのはいいが、ヒット作になる締め括りではないだろう。

 マギーQの作品はシリアスで暗いものばかりなので、最後に彼女の悲し気な笑顔で終わる結末のものであればよかった。


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五味八珍

 五味八珍はそのほとんどが静岡県内で展開する中華レストランで、静岡県人ならだれもが口にしたことがあるだろう。近年になって浜松餃子が全国区の知名度を持ったが、五味八珍もチャッカリ看板メニューとしている。

 オイラも何度足を運んだか知れない。困ったときの五味八珍・・みたいな存在である。しかし、実はここの中心メニューであるラーメンはあまり好みではない。というのは実に独特なスープであって、節を強烈に効かせた和風ラーメンなのだ。もはやうどんやソバが入っていても違和感が無い味で、不味くは無いが中華ではない。だからあまり行かなくなっていた。そんな五味八珍のラーメンが、今年になって全面的にリニューアルしたというので興味が湧いた。

 平日のランチを頼もうとメニュー表を見て愕然とした。スゲエ値上がりしている・・以前はサービスランチって、600円台だったはず。それがもはや700円を切るものはない。しかたがないので、一番安いラーメンと餃子のセットを頼んだ。よく見ると、ライスのおかわりも一杯だけ無料になっている。以前は何杯でも無料だったのに・・

 ラーメンの味はどう変わったのか。スープを一口飲んですぐ分かった。節の効きがまろやかになっている。さらに醤油の味も優しくて、以前の和風な個性はかなり和らいでいる。なるほど、これなら万人向けだ。県内大手のチェーン店が看板メニューの味を変えたのだから相当な覚悟だったろう。ただ、中には以前の和風スープを懐かしむ人もいるのではないかと思う。

 ちなみに、餃子もかなり昔と変わった気がする。以前のニラが強い味は無くなり、皮がモチモチしている。総じて癖の無い味をめざしているのだろう。これ、県外の人から見るとどうなのだろうか。より一般的な味よりも、以前の個性的な味の方が食べに来たかいがあったと思われないだろうか。

 

マグネットで対策 その6(XLR)

 サブシステムのマグネット対策もいよいよ佳境に入る。SPケーブル、電源ケーブル、デジタルケーブルと対策してきて、全てが好結果を魅せてきた。無対策の頃の音質とは、もはや雲泥の差がある。残るはこれまで避けてきたアナログケーブルだけだ。微小な主信号が通過するラインには、悪影響があるんじゃないかと思っていたが、「やり過ぎ」という目的が果たせてないので、どんな結果になろうがやるしかない。

 X-03SEからプリまではラックスマンJPC-150、プリからサブのパワーアンプまではモガミ2549で、共にXLR仕様である。この双方出口付近に100均のネオジウムマグネットを付ける。LRと個別に着けるので4箇所だ。費用は200円である。さあどうだ!

 同じ対策を部位を変えてしているだけなのに・・毎度驚かされる。オイラは、音を聴くシステムは多少刺激的だったり前方突出型でもいい覚悟でいた。それがこの対策を徹底したら、オーディオとして正統な理詰めの音に仕上がってしまった。意図せずに広大な音場と精妙な音像が実現して、これだとクラシックや女性ボーカルも十分聴ける。音離れの良さやキレが犠牲になった印象は無い。今更であるが、音を磨いていくとどんなジャンルも違和感なく聴けてしまうのだろう。でも個性が無いわけではなく、顕著な変化として低音が上げられる。低音の出る小型スピーカーは、押し並べて「ブオン」という感じだ。それが今、TADモニターからは「ズーン」という低音が聴かれる。これは30年以上前のジャパニーズ大型スピーカーから出てくる高密度低音だ。すぐにダイヤトーン2000HRを思い出した。ピンとくるものがあって、シンセやサンプリングの多重録音ディスクを掛けてみる。「プレイズ」の超ワイドレンジで位相を弄りまくったサラウンド音がどう聴こえるのか。

 部屋を飛び交う逆相音はもとより、そのスピーカーの外側にハッキリと音像が形成されて見える。試聴位置からTADモニターを見ればスパンの狭い2チャンネルなのに、マトリックス再生のようだ。奥行感も実に深い。

 思いつく場所にはすべてマグネットを付けたが、やりすぎという目的を果たせなかった。音の精度、SN感、分解能が高まるばかりで、まったく悪い所が出てこない。結果、メインシステムより魅力的なサブシステムになってしまった。

 こうなると、メインシステムで本当に効果が無かったのか疑問に思えてくる。アナログケーブルにも有効と分かった今、確認しなければいかんだろう。サブに負けたままでは可哀そうだ。