シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

救命処置とハラスメント

 今年も恒例となった職場の心肺蘇生法講習を無事終えた。今回、巷で話題のハラスメントについて質問があるかと思ったが、職場は女性が多いためか聞いてくる人は無かった。

 それは何かと言うと、AED装着において服を開けてパットを貼る行為が、女性は男性にやられるのが不快だと言う意見が多数を占めると言われているからだ。これはセクハラに当たるのではないか?訴えられてはたまらない。倒れたのが女性だったら男は手を出さない方が無難だ・・といった風潮が広まった。そのためか、運動をしていた女性が卒倒したとき、男性から適切な手当てを受けられず重い後遺症が残ったという事例が発生。当然、救命行為においてそんな事は無いと有識者や弁護士、医療従事者はデマの排除に乗り出してくる。

 長年この手の講習が本職だったオイラは、もちろんセクハラ行為でも何でもない事を知っている。ただ、デマの火消しをする連中は現場を知らないので大事な事が抜けている。それは、心肺蘇生法を受ける傷病者は本来の対象者ばかりではないということだ。

 一般人の拙い観察では、本当に呼吸停止または微弱か判断できず蘇生法実施者はパニくる。そのため、最新の蘇生法ガイドラインでは呼吸が分からなければ胸骨圧迫をするよう指導されている。蘇生率を上げるための配慮である。しかし、泥酔して反応が鈍い人や高齢で呼吸がそもそも浅い人、パニック症候群の発作で卒倒した人など、間違う可能性はあるだろう。こうした本来の対象者でなかったとき、男に脱がされた!触られたと憤慨する女性がいても不思議ではない。ABEMA Primesの司会者が「男は疑われただけで終りだ」と言ったが、それが事実だと思う。法が実施者を守るのは身分だけで社会生活はまた別というのが現実だ。オイラが前職の現役の頃、又隣の自治体で救急隊員が訴訟を受けた。それは正規の傷病者観察をしたに過ぎないのに、女性は医者でもない人からセクハラを受けたと感じたのだ。その隊員の行為は法的にまったく問題はない。しかし、職場にいたたまれなくて依願退職した。

 本来心肺蘇生法を広報すべき立場だが、経験上の意見としてネガティブな事を書き込んだ。では実際どう指導しているのかというと、オイラはまず身内や知り合いが急変したときに備えましょうと言っている。不特定多数の知らない人が倒れているとき、自分に不測の事態が起きない蘇生法をする方法もある。それはテキストには書かれることの無い対処であって、すでに蘇生法の手技に自信がある人にしか教えられないものだ。