シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

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 2019年スペイン製作のC級SFホラー映画。

 謎の密室に閉じ込められた人間が織りなす狂気の世界を描く。この手の作品は「キューブ」という名作が走りとなって、多くの類似品が作られた。ホラーの流行を作ったといっていい。本作はその系統の一つで、その世界感はシンプルでいて新しい。

「キューブ」のときと同様に、先のわからぬ緊張感に観客は凍りつく。そして、階層社会や人間の本能、エゴなどが剥き出しになっていく様を、聖書に準えて表現している点がおぞましい。スペインの俳優は全く知らないが、登場する役者は大変個性的で恐怖を増長させる。

 多くのマイナー賞を受賞しているのも頷ける。生理的に受け入れがたい点は別として、一点不満もある。それは、この謎の施設の正体を想像させるシーンが多く出てくることで、管理者側の厨房風景や、長年管理者側で勤務した女が自ら施設内に入ってくるくだりだ。

 これらは、半端に施設の目的や有様を観客に与えることになり、それなら全て知りたいという欲求を生んでしまう。実際、この手のホラーはあえて結末らしいものを残さないのが普通で、本作も例外ではない。それが「キューブ」の様にまったく謎のまま終われば潔いのに、チラホラ見せると半端な想像と要らぬ疑問が残って不満が生じてくるのだ。

 日本で藤原竜也あたりが主人公でリメイクしたら似合いそう。その場合はグロさをマスキングして、しっかりオチを付けたエンタメにするのが似合いであろう。


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