2008年製作のA級ファンタジー作品。
しっかり原作のあるファンタジーの映画化であるが、趣を大きく変えてディズニー調の毒気のないファミリー作品に仕上がっている。主演はブレンダン・フレイザーで、彼のエンタメ大作最後の作品と言っていい。そう思うと、イマイチな作品なれど感慨深いものがある。
本作は、脇にヘレン・ミレンやカメオ出演でジェニファー・コネリーまで用意して置いて、日本では劇場未公開であった。こりゃダメだとの判断があったのだろうが、それは正しかったと思える。その理由は、ファミリー・ファンタジーとして致命的に地味なのだ。
本を読むと実物が現れるという古臭い夢のような話は、弩派手にやらなくては絵にならない。クライマックスはそれなりに盛り上げているけど物足りない。それに、各々のキャラ設定がどれも中途半端だ。何も考えずに楽しむ作品なのに、誰一人期待通りの活躍を魅せていない。まだこれからスター街道に乗ろうとして、転落したブレンダン・フレイザーの斜陽を予感する作品だった。