シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

愚行か否か その3

 さあ、カナレ4S8に変えて音はどうなったのか。まずは凄まじく荒れた高域にとても我慢を要したわい。

 貰った4S8は中古品である。よって慣らしは不要かと思ったが、これは明らかに新人の拒絶反応だ。この時点で捨ててしまうほどハヤトチリではないので、しばらく音を出し続ける。すると急速に荒れた印象は静まり、3日ほどで落ち着きを見せた。

 正直言って、なかなか面白いのである。明解な音を前に繰り出す感じは4S8の特徴なのだろう。中低音がクッキリ力強い鳴りは、打楽器がとても魅力的だ。この点は自前の対策ケーブルを越えていると言っていい。しかしボーカルの輪郭と密度は甘めで、僅かに響きが乗っている。これはRCAケーブルをアコリバにしていた頃を思い出す。シルバーパルスの濃い味が消されたかのようだ。

 高域は落ち着いた後も音が乾き気味で、弦楽器に艶が乗らず楽しめない。荒れてはいないがSNが下がった印象も大きい。低弦の深い響きの感触も無い。音が明瞭に前へ繰り出すため、奥行きや広がりはあまり得られない。総じて、クラシックや女性ボーカルを味わい深く聴く状態ではなく、現状は打ち込み系のポップスやフュージョンのキレを楽しむには悪くない。もう少し鳴らし込めば変わる要素もありそうだが、以前の濃厚で高密度の音像や静かな背景は、様々な対策あっての恩恵であったと思う。弦楽器の艶やかな音色や滑らかさは、ケーブルそのものの個性と関りが深そうだ。

 オイラのように、様々な音楽を一つのスピーカーで楽しむ趣味人は、ある音の要素が極端過ぎてはいけない。ある程度の個性は、SNや立ち上がり等の基本的な底上げがあった上で加味されるべきで、さもないとオールジャンルに満足感は得られないのだ。結果として、笑われそうなほど多くの対策は無駄ではないと自己擁護するとしよう。

4S8は信頼性が高く明確な音が格安に得られるので、一般人や趣味人の第一歩として遊ぶにはうってつけだと思う。