シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋

 2007年公開のファンタジー作品。

 主演はダスティン・ホフマンナタリー・ポートマンで、魔法のおもちゃ屋を舞台に心温まる跡継ぎ話が繰り広げられる。しかし、この作品はエンタメとしてあまりに地味すぎる。

 別にアクション映画じゃないんだから、終始ほのぼのとしたファンタジーで何が悪いと言われよう。それはそれでファンタジーの本懐だろうし、作風が地味でも悪くない。せっかくのバックボーンが、生きた展開になっていない地味さがいただけないのだ。

 ピアノの天才少女と言われながら、大人になって燻ぶっている主人公、友達が作れない内向的な男の子、典型的な堅物の男・・最後にすべてが解決してハッピーになるのがファンタジーの主流になってしかるべきなのに、主人公が魔法を使えるようになって、おもちゃが息を吹き返すだけでは物足りない。このあたりの表現はアメリカ人お得意のはずなのに不十分なので、やぼな疑問があれこれ湧いてしまう。つまり、ファンタジックな結末が作品の本懐なら、マゴリアムおじさんや地下の男は何者なのか、魔法のおもちゃ屋の起源は?ナタリーが不思議なおもちゃ屋で働いている経緯は?そもそも時代設定は?(おもちゃが古い!)何も語っていないのでまったく満足できないのである。

 ここはあくまでナタリー演じるモリーだけを主役として、登場人物がネガティブを払拭する成長物語を主軸に、ポジティブで老いた魔法使いを絡める話ではどうか。クライマックスの生き返るオモチャの描写は、ハッピーエンドを賑わす表現の一部であればいい。


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