シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

デス・プルーフ in グラインドハウス

 2007年公開のB級グラインドハウス作品。

 グラインドハウス映画とは米国で流行った2~3本立て映画で、低予算の低俗なものが多い。これは日本でも結構多かった。その世界観に愛着を持つタンランティーノ監督が、当時の風情までも再現(フィルムっぽい映像と傷までそれらしい)して魅せたのが本作だ。実際本国では「プラネット・テラーinグラインドハウス」と2本立てされた。

 本作は、個人的に「パルプ・フィクション」よりタランティーノ節が爆発していて痛快だ。いかにもアメリカの田舎町、ムンムン軽薄な女達、ぶっ飛んだ車とサイコおやじ、CGも何もない昔のスタントなどなと・・彼の得意パーツがテンコ盛り。さらに、繋ぎを持たせた2話構成や、意味のない女子会の会話がカメラ割りを極小にして永遠に展開する様は、タランティーノでなければあり得ない構成だ。だからストーリーなんてものはほとんどない。サイコ野郎に非常識な方法で女達がぶっ殺される前半と、同じ事をしようとして返り討ちに合い、女達にボコにされる後半という分かり安さ。低俗感MAXだ!

 いかれたサイコ野郎をカート・ラッセルがB級悪役らしく演じているの実にいい。そして、なによりスタントウーマンのゾーイ・ベルが本人役で登場し、懐かしいカースタントアクションを披露してくれる。携帯電話が出てきても、70年代の暗い世相をぶっ飛ばそうとしたB級の匂いがプンプンだ。

 常々、中途半端を嫌うオイラはこのムチャぶりに拍手したい。イラついたSM嬢にお勧めだ。


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