シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

エンバー 失われた光の物語

 2008年のA級ファンタジーSF作品であるが、日本では劇場公開されなかった。

 トムハンクスが製作し、「ラブリーボーン」のシアーシャ・ローナンと「スタートレックピカード」のハリー・トレッダウェイがW主演。脇もティム・ロビンスビル・マーレイトビー・ジョーンズといった個性派が固めている。しかも「スペース1999」のマーチン・ランドーが粋な役で登場。これで日本未公開とはどういうことか?

 世界各国で大コケしたのだ。あまりの不人気さに尻込みしたのだろう。これだけの布陣を敷いてコケたのは、ひとえに内容がツマラナイに他ならない。世界崩壊後に住めなくなった地球で、地下に都市を築いた世界の話だと思うが、SFらしさはまったくない。地下都市がヨーロッパの古い町並みで、ファンタジックな設定なのに、その内容はまったくファンタジーでもない。閉鎖された管理社会からの脱出劇のようでいて、トレジャーハンティングのようなクライマックス。すべてが実に中途半場で、それでいて目を見張る展開もなく地味なのだ。これでは客は呼べない。せめて、完全にファンタジーの世界に振ってあれば、この無茶で疑問だらけの設定も温かい目で観ることができただろうに。シアーシャ・ローナンちゃんが透明感たっぷりの頃だけにとても勿体ない。

 トムハンクスが出来もしない事に手を出して、輝かしい経歴にドロを塗った作品だ。


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