シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

記憶にございません

 2019年秋公開の三谷コメディー。先日地上波でノーカット放映された。

 三谷コメディは結構好きで、特に「ステキな金縛り」はファンタジーとの融合が心地よく、心温まる感動があって素晴らしい。では本作はどうだったか。悪くは無いが、普通のコメディの枠の範疇だな・・と思った。

 記憶を失った内閣総理大臣、過去が消えて人格まで変貌。それを笑いに包みながら大団円に進んでいく。定石通りだが、それが今一つ物足りない。作り慣れたコメディの路線を変える必要はないが、新しいインパクトが欲しい。ストーリーも破綻は無い代わりに起伏もないので、盛り上がりに欠ける。弾けた勢いが感じられないのは、三谷幸喜も歳を喰ったということか。

 そんな中でも、中井貴一のとぼけたコメディセンスはさすがであった。また、オールキャスト個々の配役も絶妙で面白い。木村佳乃の大統領という意外なキャスティングには拍手したい。ただやはり脚本として、ラストに明かす記憶が回復していたという展開は気に入らない。途中で回復して二重人格になるとか、もう一捻りが欲しいところだ。


映画『記憶にございません!』予告