昨年の夏にトライオードからエポックメイキングな管球アンプが発売された。それがMUSASHIだ。
MUSASHIはKT150のプッシュブルで、その力感をセールスポイントにしている。KT150は新しい球で、海外では採用した高級機が見られるが、国産ではお目にかかったことがない。その恐竜の卵のような風体は実に魅惑的だ。
MUSASHI自体もトライオードらしくなく、黒い精悍な面構えで巨大。武蔵の漢字表記はダサいが、ラックに入れば気にならない。プリメインなれど、パワー直結も可能。懇意のショップにＦＡＬ Supreme C90Wと繋げてあるので気になっていた。それが、誰かの試聴後で電源が入っており、ヒートアップ万全だったので聴かせてもらうことにした。
これはまた・・意外である。いくら自宅と同じスピーカーでも、環境も駆動機器も全く違うのに、我が家のメインシステムと音色やバランスがよく似ているのだ。もちろん、長年追い込んだシステムとは音の精度は比べるものではないが、もし愛機 J2が壊れたら筆頭に候補となり得る。真空管のパワーアンプはマックトンで懲りているけど、使ってみたい気が湧き上がってくる。なによりCPが高い。この存在感は、海外製なら間違いなく７桁は下らない。
