シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

アナイアレイション -全滅領域-

エクスマキナ」のアレックス・ガーランド監督が第2弾で昨年披露したB級SF作品。

 エクスマキナについては、SWを差し置いてアカデミー視覚効果賞を捕ったことで、いち早く拝見し、ここでも高評価した。あの監督なら期待できる・・そして、やはり裏切られることはなかった。

 主演はナタリー・ポートマン、脇でまたもやオスカー・アイザックが登場。SWの影を一切感じない2人はなかなかの役者だ。ナタリーはいいオバサンになったなあ。

 さて、謎の隕石?からエイリアンによるDNA改築が広がり、女性だけの調査隊がその謎を追うスリラーの本作、発想そのものは特に斬新なものではない。際立つのは美的ビジュアルと畳み掛ける不気味な異形の世界観で、まったく目を離せなくなる。これはまさに諸星大二郎の初期SF作品を思わせるもので、エクスマキナのときも書き込んだが、この監督は日本のSF作品を知っているとしか思えない。

 であるなら、今を説明するありきたりな尋問のシーンは不要で、ラストの抱擁する2人の眼が光る演出も不要である。最後の行末はすでに展開で語られているので、ここは最後まで諸星大二郎の世界を美しく魅せて曳いていけばいい。まあ、現状でも配給元が一般受けしないと疑義にしたくらいだから無理だろうが、その方が格段に深い余韻が残るだろうと思う。


アナイアレイション -全滅領域-