もはや金を出す価値がなくなってきた「オーディオアクセサリー誌」より前に、興味を失せたのが本誌「Stereo」だ。
この雑誌を昔は毎月購読していた。しかし、2000年頃を契機に長岡鉄男、入江順一郎、金子英男、江川三郎と中心的執筆者が逝去されて、見る価値が無くなったのだった。その後、若いライターが台頭してきたが、その記事には個性も無ければ個人の意見も無い。期待していた村井裕弥氏も他界され、私的にまったく面白味が無くなってしまった。
そんな雑誌をまたぞろ買ってみた。それは、部屋とセッティングについての特集が面白そうだったからだ。見ると、基本的な事を記述するようなことはなく、論者の個人的アイデアなどがあって興味深い。話題の的にフルテック NCF Boosterが挙がるのもいいだろう。最近の噂では、その高さで音が変わるらしい。苦笑である。
芝崎功氏の、インレットプラグ付近にスパイクを置いてケーブルを支えるアイデアがユニークだ。オイラのフロアーバンドとどっちが効果的か試してみたい。
目玉記事として、アコリバの石黒氏とカイザーの貝崎氏のセッティング対決がある。これは企画として実にいい。昔はこんなピリピリした対決企画が誌面であったものだ。ところが決着はおろか、箸にも棒にもならない対談でにこやかに終了とは・・こんなんだからオーディオは趣味として衰退するのだ。
この趣味を牽引するメーカーや有識者は、もっと競争社会のプロとしてプライドと体を張って対峙してもらいたい。編集者も同様、エンタメとして緊張感のある演出がほしい。