シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ラディウス

 昨年カナダで作られたSFサスペンス作品。
 主役はディエゴ・クラテンホフという俳優。「パシフィック・リム」の序盤で戦死する、主人公のお兄さんだった人。他無名でSFギミックも無く、超低予算のC級レベル認定作だ。となればアイディア勝負となる。その点、本作は結構面白かった。
 突然の事故から始まる謎の展開、常套手段であるが観客を惹き付ける。そして、自分に近寄る生物は皆即死するというアイディアはさらに謎を呼んでいい。この死に方が「マトリックス」の首から電源抜かれた人みたいで、妙に不気味だ。そして、自分に近づいても死なない女性の登場と謎のフラッシュバック。追われるハラハラ展開の中で、分かれることができない設定がポイントだ。
 この新人監督は結構魅せてくれる。何のアクションも無く、SFファンを展開の面白さだけで引っ張っていくのだから大したものだ。
 そして、クライマックス。なるほど、そうきたか。これはSFファンほど騙されよう。何故なら、SFのファンなら何故半径15メートル以内に近寄ると即死するのかという謎の方に惹かれてしまうからだ。思えば内容勝負のC級レベルの作品で、ラストにそんな謎解きは似つかわしくない。したがって、このSFチックな状況設定は話を面白くするための「もしも・・」にすぎない。
 素直に見れば、多くの伏線が張られているし、再見してみたくもなる。ラストは私的に納得のいく終わり方だ。ただ、観終わって新鮮味を覚えないのは何故かと考えたら、これはトワイライト・ゾーンの一遍みたいなものだと気がついた。またXファイルの話にあっても不思議じゃない。